普通分娩と帝王切開の対立(?)は永遠のテーマだったりしますよね。
私は2人とも帝王切開でしか産んでないので陣痛の苦しみはわからないです。だから、どっちの方が大変とは言えません。
ただ今回2人目出産を迎えるに辺り、帝王切開になってしまった過去を恨みたくなるくらい、めちゃくちゃ悩みました。
それは卵管切除(不妊手術)を提案されたからです。
帝王切開でなければ出産回数に制限もないし、卵管切除の提案もされないですよね。不妊治療をしていた自分が不妊手術を選択することにはかなり躊躇しました。
それでも私は2人目の帝王切開による出産と共に、両卵管と左卵巣嚢腫の切除を決断しました。これを決断するのに私に与えられた猶予はたったの1週間でした。
私のような方の体験談を知りたくて調べましたが、なかなかブログとしてまとめている方はいなかったので、誰かの役に立てればと思いここに記しておきます。
帝王切開時の卵管切除の提案はポピュラーなの?
これは医師に聞いたり私なりに調べたところ、帝王切開で3人目出産時に提案されることが多いみたいです。
私の場合は2人目出産時でしたが、現時点で3人目を考えていないのであれば、という感じで提案されました。
先生はそう言いませんでしたが、36歳なので年齢も関係あったのかもしれません。
私の周りに帝王切開の方がいないので、そんな提案をされるとは思わず、提案された時は思考停止したのと、率直に「嫌だ」と思いました。
私が妊娠にリスクを伴うから提案されたのか、帝王切開の方には一律に提案しているのか、まずそこを知りたいと思ったのも事実です。
そんなことを知ったとしても提案された事実に変わりはありませんが、提案の意味のニュアンスがまた違ってくると思ったからです。
卵管切除のメリットは?
先生から言われたメリットは卵巣がんのリスク低下と避妊効果についてです。もちろんデメリットは自然妊娠は不可能で妊娠希望するなら体外受精のみということです。
卵巣がんについて何も知らなかったので、どれくらい卵巣がんのリスクがあるのか、また卵巣がんのリスクをどれだけ減らせるのか、についてまず調べることにしました。
卵管手術後の自然妊娠はほぼ不可能ですが、0%ではないみたいです。ただ結紮よりは切除の方がより妊娠する確率は減ります。
このメリットがどれだけデメリットを上回るのかについて考えることにしました。
私が卵管切除に踏み切った理由
私は下記の3つの理由から卵管切除に踏み切りました。参考にしてみてください。
卵巣がんのリスク低下
私が調べる限り、卵巣がんのリスクは親類に婦人科系のがんの方がいるとリスクがかなり上がるようでした。
親戚には婦人科系のがんの方はいないので、遺伝的なリスクは高くないです。
でもがんになる確率は0%とは言えません。
また卵巣は沈黙の臓器と言われ、がんの症状が出る頃にはだいぶ進行しているそうです。リスクは低いかもしれないけど、もしなった場合予後は悪い病気です。
卵巣がんのリスクを減らせるかもしれないのに、今ここで切除しなくてがんになってしまったら、きっと後悔すると思いました。
今考えていない3人目を産めない後悔よりも、今目の前にいる我が子の成長を見守れることが私の幸せであると考えました。
卵巣嚢腫の存在
20代前半の時に初めて子宮頸がんの検診に行った時に、左の卵巣嚢腫を指摘されました。
そこから定期的に受診するも10年以上大きさは変わりませんでした。
実は私の親も卵巣嚢腫がありました。
母の場合、卵巣嚢腫が巨大化し捻転して痛みが出てから発覚しました。
母の卵巣嚢腫は7cmまで巨大化していたため、腹腔鏡下で手術して切除しました。
そんな経緯もあり、卵巣嚢腫ができやすい体質を受け継いでいるかもしれないと思いました。また私の持病である橋本病も卵巣嚢腫ができやすいリスクがあるみたいです。
それが卵巣がんに直接つながるわけではないと思いますが、婦人科系に疾患が出やすい可能性もあると思ったのです。
正直、私は帝王切開の時に卵巣嚢腫を取ることすらも悩みました。
卵巣嚢腫はないに越したことはないけれど、取るリスクとしては卵巣機能の低下があったからです。
10年以上も大きさも変わってないなら大丈夫なのでは?とも思いましたが、いつ大きくなるかもわからないし、今取らないと何度もお腹を開けるリスクにもなります。
卵巣嚢腫の切除についても前向きに考えられるようになりました。
切除した卵巣嚢腫は良性腫瘍でした。特に今後のことも心配ないと言われました。
クラミジア感染の既往
私は勝手にクラミジア感染の既往によって、子宮卵管造影検査だけではわからない、卵管狭窄があるのでは?と思っています。
でもそれは私の憶測でしかないし、正直一生わからないです。
ただクラミジア感染の既往が、もし卵管に対して悪影響を及ぼしていたら、むしろ切除してしまった方がいいのではないかと考えました。
ちなみに病理検査に出した両卵管は特に異常はありませんでした。
切除してみないとわからないことでしたが、卵管を残すメリットは妊娠ができるかもしれないことと、不妊手術をしないことで得られる安心感のみでした。
卵管切除をしないメリットは?
これについても考えましたが、卵管を残すメリットはただ一つ。
私の精神安定のためでした。
いつか妊娠ができるかもしれない、3人目の可能性を残しておけることでした。
でも元々3人目は考えていなくて、漠然と子どもは2人欲しいと思ってました。夫とも以前に3人目は難しいかなという話もしてました。
だけど、人間て貪欲ですよね。
今は3人目を考えていないけど将来的に欲しくなった時のリスクを考えるんです。
卵管切除して良かった経験も調べましたが、それと同時に後悔した経験も調べました。すると中には不妊手術をしてしまったことに後悔する人もいました。
それは「自分の体は不妊なのだ」という現実に対する後悔や、離婚して再婚した時に子どもが欲しくなって後悔する方もいました。
ただ卵管切除後に離婚して再婚した方の中には、体外受精でまた子どもを授かった経験のある方もいました。
不妊手術とはいえ、体外受精なら全く希望がないわけではないんです。
私はもう一度夫と話し合い、3人目は現実的でないことを確認しました。
またその時夫に言われたのは
年齢的にも自然妊娠よりも体外受精が第一選択になる可能性が高いのでは?
とのことでした。
確かに2人目は体外受精で授かったので、3人目をもし授かれるなら体外受精が第一選択になるのかもしれません。
残すは自分の考えの整理だけです。不妊手術を受けることを納得して受け入れられるかどうか。
不妊治療してたのに、自分で不妊手術を受けるの?産まない選択と産めなくなることは違うもの。
という考えがあり、精神論ではありますが悩みました。
周りに相談するとみんな口をそろえて『切除したほうがいい』と言いました。最初はその答えがなかなか受け入れられずにいました。
でも第三者がきっとこの話を聞いた時に、現時点で3人目を考えていなくて、がんのリスクを少しでも減らせるなら、迷うことなくその解答になるんだと思います。
最初に先生に両卵管切除の話をされた時は
受けなくてもいいかな
とも思ったんです。それくらい不妊手術をすることに衝撃や抵抗がありました。
周りに相談した時に今いる子どもたちのために健康でいることも大切と言われました。確かに元々妊娠すること自体がリスクな体質なので、それは最もな意見でした。
結局私は色々自分なりに調べて考えた結果、前述のリスクを踏まえ両卵管切除を選択しました。
まとめー両卵管切除後ー
何が正しい選択なのかではなく、自分が納得して選択できたかが重要なのです。
ここに至るまでの経過を知りたくて、体験談を色々探しました。正直、手術を決断した人にしかわからないこともあると思います。
これから先、私と同じように迷った時にこのブログを参考にしていただけたら嬉しいです。
ちなみに切除してからまだ1か月程なので、生理の状況などはわかりませんが、現時点では1回目の帝王切開後と何ら大きな変わりはありません。
強いて言えば3種類の手術(帝王切開、両卵管切除、卵巣嚢腫切除)をしたせいか、出血は前回より多く、妊娠時からずっとある貧血が産後も持続しています。
その他体調面に大きな変わりはないです。今後何か変化あればまたブログでもまとめたいと思います。